» 2017 » 10月のブログ記事

日本癌治療学会

| その他 |

10月21日に第55回日本癌治療学会で演題発表をしてきました。
昨年と同様、会場はパシフィコ横浜での開催となりましたが、今年は台風21号が接近し雨の中の学会となりました
みなとみらい駅からクイーンズスクエアを抜けて、会場となった会議センターや展示ホールに向かいましたが、強い風で横殴りの雨に濡れながらも多くの参加者が会場に向かって歩いていました☂
各科の癌治療に携わる若手からエキスパートまでの医師や看護師など医療スタッフが集まり会場は盛況していました。

今回は岩手県立中部病院の開院当初から集積してきた、前立腺癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の治療成績について発表させていただきました。
開院当時、新規の放射線治療法であったIMRTを前立腺癌治療に導入された梶川恒雄先生、放射線科の小原東也先生には深く御礼申し上げます。
発表セッションでは次世代の前立腺癌外照射治療として、これまで頭蓋内腫瘍が主な適応だった定位放射線治療の治療成績発表もあり、改めて医療技術の進歩の早さに驚かされました。しかし、日本人おけるIMRTの治療成績の集積はまだ少なく、当院で今後も研究を継続していくことの重要性を改めて感じました。

無事に発表を終え岩手へ帰路に就きました。帰りも雨でした☂

中部病院は北上市、花巻市、遠野市までの医療圏を担う中核病院として、日々多くの日常診療や手術を経験出来ます。当院での初期研修プログラムでは泌尿器科は必修ではなく選択科となっていますが、多くの研修医の先生方が希望してローテートしてくれています。また、当講座へ入局し中部病院で専攻研修をしている若手の先生も、腹腔鏡手術や小切開手術、レーザー手術、透析医療など多くの臨床経験を積みながら、学会発表についても医局員の指導の下で経験しています。初期研修から専攻研修まで対応した当院での泌尿器科研修に興味のある方は、是非一度見学に来てみてください。20171025ブログ写真

国内留学生活を経験して

| 医局 |

昨年4月から徳島大学先端酵素研究所プロテオゲノム領域ゲノム制御学分野で基礎研究を始めて、1年半が経ちました。

私自身は医者になってからはずっと臨床のみで実験初心者の上に、中学・高校以来、実験器具に触れることもなく来て基本的な器具の名前すらすっかり忘却の彼方へ消え去ってしまい、研究室の先生達に唖然とされたこともありました。そのような状態からのスタートだったので、こうして1年半基礎研究を経験して振り返ってみると、当時の自分は「かなり無謀な挑戦」をしたなと思います。それでも、先日、第76回日本癌学会学術総会で自分の研究成果を発表し、1年半で行った研究結果をまとめてみると、基礎研究に対して未知の物事を予測してそれを実験で証明するという醍醐味を感じるようになりましたし、一つの分子の働きを証明することが膨大な実験の上に成り立っていて、その裏にさらに何倍もの失敗や試行錯誤があるということがよく分かりました。

今回は臨床から基礎研究という仕事における「変化」を自分は選択しましたが、生活に関しては結婚や出産等のイベントによる変化が訪れるのに対して、仕事に関しては家族の事や経済的な事なども考慮すると年齢をとると共に変化を自分から求めづらくなると私は考えています。今回は、家族や周囲の先生方のサポートでこのような挑戦できる機会を得ることができた自分は本当に幸運だと思います。新しい事をするというのは苦労も多々ありますが、挑戦する機会は人生において何度も訪れるものではないと思うので、例え「かなり無謀な挑戦」だとしても成功するかしないかは別にしてトライすべきだなと思います。

研究以外では、岩手に住んでいた時に四国に来る機会は1度もなかったので、貴重な機会と思い隣県の香川へ讃岐うどんを食べに行ったり、坂本竜馬で有名な桂浜に行ってみたりもしました。そして、徳島といえば阿波踊りで「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃそんそん」というお囃子が有名ですが、今年は数日前に腰椎ヘルニアの手術を受けて退院直後で腰を低くしたあの独特の踊る姿勢は無理でしたので「見る阿呆」として楽しみました。そして、昨年4月に徳島に私が来てすぐに生まれた娘と休日戯れるのも楽しみで、少し前までは室内で遊ぶ程度でしたが、1歳半になると活発に走り回るようになり無尽蔵の子供の遊ぶ体力に圧倒されています。
徳島での生活も少なくなってきており、特に研究に関しては限られた時間を大切にして勤め上げたいと思います。

加藤 廉平

眉山からの徳島の眺め

眉山からの徳島の眺め