第252回日本泌尿器科学会東北地方会で、当講座の五十嵐大樹先生が優秀演題賞を受賞しました
11月岩手医科大学報に掲載されておりますが、ご覧いただけない皆様のために当ブログでもお知らせいたします

 

この度、第252回日本泌尿器科学会東北地方会(平成27年10月18日:仙台市)におきまして、演題「エベロリムスが奏効し安全に摘除し得た下大静脈腫瘍栓を伴う腎血管筋脂肪腫症例」を発表し、優秀演題賞を受賞しました。

IMG_2123腎血管筋脂肪腫(AML)に対するエベロリムスの効果は証明されておりますが、もともと報告例の少ない腫瘍栓を伴うAMLに対して、mTOR阻害剤であるエベロリムスを投与し腫瘍栓の縮小効果を認め手術を行ったのは、我々が調べ得た限りでは世界で初めての経験でした。本症例に関して我々は、腫瘍本体と腫瘍栓へのエベロリムスの効果の差に関して病理学的・分子生物学的に考察しました。病理標本の見直しやエベロリムスの作用機序に基づき免疫染色を追加して検討しましたが、結果的に真相にたどり着くことはできませんでした。しかし、疑問点に対して自分たちの仮説を立て、検証していくという過程を評価頂いたものと考えております。疑問点や反省点を、次の診療に活かしていくことが大切であると再認識致しました。

今回の発表に際して、小原航教授をはじめとする当講座の医局員の先生方、病理診断学講座の菅井有教授、石田和之准教授、無江良晴先生に御指導を賜りました。さらに、御協力頂きました検査技師様やスタッフ様に深く御礼申し上げます。

(文責:五十嵐 大樹)