岩手県立中部病院泌尿器科伊藤です。

2022年1月20日-21日にweb/ZoomでBSJNU(Baxter Scientia Jalan at Nagoya University)基礎コースに参加しました。こちらは名古屋大学腎不全システム治療学寄附講座が事務局になり腹膜透析の啓発をされているもので阿部教授の推薦をいただき参加しました。

 今まで腹膜透析は臨床で診療、手術を行ってきましたが座学で勉強する機会がなく非常に貴重な機会になりました。黎明期から日本の中心で腹膜透析を牽引している東京慈恵会医科大学の川口良仁教授のお話を始め、腹膜透析分野のトップランナーの先生方の話を実際に聞くことが出来ました。またZoomではありますが、直接日常臨床で悩んでいることなどを相談することができ、貴重な機会でした。特に白報会王子病院の窪田実院長の腹膜透析カテーテル留置術のお話では、日頃行っている手技は様々ある手技の一つにすぎず、患者の体格や生活習慣などに合わせて変えることができることは衝撃を受けました。泌尿器科の自分としては一層の努力が必要であると改めて身に染みました。

  現在日本における透析の約97%は血液透析のため一般の方の認知度が低く、腹膜透析は患者数が少なくなかなか岩手県含め国内で血液に比較して普及していないのが現状です。 

 腹膜透析は毎日在宅で行う治療ですが、利点は患者さんの自由度が高いことです。通院は月に1回のため現在の社会生活を可能な限り維持することもできます。また血液透析と異なり在宅で行う治療のためこの接触をできるだけ避ける新型コロナウイルス感染症の時代において重要度が高まってくると考えます。現在は高齢の方より若い方が選ばれる傾向にある印象ですが、認知症の発症リスクも血液透析より腹膜透析の方が少ないという報告もあります。岩手県は本州一の面積を有するため高齢になるに従い通院が徐々に大変になってくる方なども含めて今後は高齢の方に腹膜透析はいい選択肢になると考えます。

 患者、家族に対してよりよい腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)を説明、提供するためにはまずは医師を始めとする医療従事者が腎代替療法の利点、欠点を十分に理解する必要があります。今後は岩手県内においても腎代替療法の理解、知識、経験の啓発を進めていければと考えます。

 

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