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代表的な疾患の治療法

腎がん

通常、腫瘍を含めて片腎を摘出する根底的腎摘除術を行います。腹腔鏡を使用した手術を積極的に行っており、傷が小さく術後回復が早いという利点があり、入院期間は通常10日程度です。ただし大きな腫瘍の場合には、開腹による腎摘除術を行います。小さな腫瘍の場合には、癌のみ切除し、正常腎を残す腎部分切除術を行います。

腎部分切除術においては、医療保険が適応されたロボット支援下手術を行っており、より侵襲が低く、また安全性が高い治療を提供します。

手術が難しい、または転移している場合には、腫瘍の増殖を抑える薬(免疫療法のインターフェロン、分子標的薬のスニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、エベロリムス、テムシロリムス)を使用し治療を行います。さらに副作用の少ない新規の癌免疫治療薬のオプジーボによる加療も行っております。

膀胱がん

手術療法(経尿道的膀胱腫瘍切除術、膀胱全摘除術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤)を組み合わせて治療を行っております。膀胱全摘除術を行った場合は尿路変更術(尿の出口を変える手術:新膀胱造設術、回腸導管造設術、尿管皮膚ろうなど)が必要になります。

当科では局所進行性膀胱がんに対して膀胱全摘除術を行う場合、手術前に経尿道的膀胱腫瘍切除術や化学療法を行うことがあります。

化学療法はGC療法(ジェムザール、シスプラチンまたはカルボプラチン)やM-VAC療法(メソトレキセート、ビンブラススチン、ドキソルビシン、シスプラチン)を行いますが、どちらを選択するかは患者さんに合わせて選択しております。
今後はロボット支援下膀胱全摘除術の施行も検討しております。

前立腺がん

健診で異常を指摘された場合、針で組織を取って顕微鏡で診断する前立腺生検を行います。がんがあれば広がり具合をMRI/CTなどで確認します。前立腺のみにがんがある方には、ロボット支援内視鏡下前立腺摘出術(複数の2-3cmの小さな創から機械を入れて前立腺を摘出する)や、小線源療法(放射線療法の一つ。小さな金属を前立腺に入れる。3泊4日、または4泊5日で治療可能)を積極的に行っています。これらの治療が行えるかどうかは、年齢や合併症などによって総合的に判断します。

放射線外照射では、放射線科と協力し、強度変調放射線治療(IMRT:コンピュータを用いて腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい照射で副作用が少ないとされます)を行っております。進行癌や高齢の患者さんに対しては、内分泌療法(注射や内服薬を使用)を行います。

治療効果が弱くなった場合は抗がん剤(ドセタキセル・カバジタキセル)や新規薬剤(エンザルタミド・アビラテロン)の使用も検討されます。

慢性腎臓病

腎臓の働きには、体内で作られる不要な老廃物(代謝産物)を排泄する機能と血液を作るホルモンの産生などの内分泌機能があります。蛋白尿や顕微鏡的血尿は慢性腎臓病の初期に見られ、自覚症状がないことが多いため放置される方がおられます。しかし、進行して末期腎不全になると、だるさや吐き気などの尿毒症症状が出現します。この状態になると腎機能が回復することはないため、腎臓の代わりをする治療である腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)が必要になります。蛋白尿や尿潜血を指摘された方、腎機能低下を指摘された方は早めに受診・精査をお勧めします。

血液透析では、透析のための専用の血管を手術で作り、週3回透析病院に通院し1回3~5時間かけて機械で血液をきれいにする治療を行います。腹膜透析では専用のカテーテルを腹腔(おなかの中)に手術で留置し、毎日透析の液を出し入れして老廃物を体外に出します。血液透析/腹膜透析は一生継続が必要です。また、100%腎臓の働きを代行していないため、様々な合併症が進行します。

腎移植には、ご家族から2個ある腎臓の1つを頂いて行う生体腎移植と、亡くなられた方が提供してくださる腎臓を植える献腎移植があります。透析を始める前に移植を行う先行的腎移植は、術後成績が良いため積極的に行われています。移植のご相談を希望される場合はできるだけ早めの相談をお勧めします。

その他

副腎腫瘍に対する腹腔鏡手術(単孔式含め)、精巣腫瘍に対する化学療法や後腹膜リンパ廓清術、尿路結石に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や軟性尿管鏡を用いた経尿道的結石砕石術、女性尿失禁に対するメッシュ挿入手術(TVM)などに加え、上記以外の泌尿器科的疾患に対しても幅広く積極的に治療を行っております。

当科での治療を希望される患者様は、一度かかりつけ医にご相談いただければ幸いです。

泌尿器科疾患(部位別表示)に対して当科で行っている主な手術治療方法(術式)を示します。どの治療・術式が最も適しているかは、患者様それぞれの病態によって異なります。

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