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学会報告 第28回 日本内視鏡外科学会総会
加藤 廉平

 12月10日、11日と第28回日本内視鏡外科学会へ参加して来ました。今回は関西医科大学腎泌尿器外科の松田公志先生が会長として開催される会で、当科からは私の他に高田亮先生と兼平貢先生も参加されました。

 私は腹腔鏡手術で臍からの単孔手術に関して発表して来ました。臍にジグザグに手術の切開創をデザインすることで、手術で用いる鉗子の挿入や臓器を摘出するスペースを以前の直線の切開に比べ広く確保できる点と臍からの手術のため整容性の面で優れていると思われます。ただ、通常のマルチポートの腹腔鏡手術に比較して難易度が上がる術式であり、適応となる疾患は十分な検討が必要になると思われます。全体の発表演題をみると泌尿器科の内視鏡手術の領域ではロボット支援下腹腔鏡手術の話題が中心となっており、当科では兼平先生がロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術に関した発表をされましたが、同じセッションの他施設の発表でも根治性のみならず尿禁制や男性機能の保持のために様々な手術手技の工夫に取り組んでいました。ロボット支援手術ができる施設は限定されるものの、全国に広まり前立腺手術に関しては現在の泌尿器科のスタンダードな手術方法の一つとなっていますが、ハイリスクの前立腺癌に対する手術や他の治療との組み合わせによる治療成績の向上など、今後私たちが検討していかなければならない課題も多々あります。内視鏡外科学会の参加は今回初めてでしたが、外科系の科の先生方の他にも臨床工学士や看護師もあり、内視鏡手術において医師やコメディカルのスタッフを含めたチーム医療の向上の必要性を改めて認識しました。

 さて、大阪の滞在時間は限られておりましたが、お好み焼きや串カツなど大阪名物を食し充実した学会となりました。

 

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